|
◆ 自動車教習所の環境対策 ◆ 排ガスに関する県条例 |
|
東京都の排ガス規制に追随して、2003年より埼玉県でも2つの排ガス規制条例が施行されます。 |
|
1つは、条例に定める粒子状物質(PM)の基準を超えるディーゼルトラック・バスの通行を禁止するもので、初度登録より7年間は猶予期間、また指定の「PM低減装置」を取りつけた車両は対象外となります。もう1つは、窒素酸化物(NOx)を規制するもので、基準を超える車両は継続検査を受けられません。車種ごとに猶予期限が定められており、例えばディーゼル乗用車の場合は9年を超えて、車検を受けることができなくなります。 |
|
注目されるエコカー |
|
近年の環境問題に対する関心の高まりを背景に、多様なエコカーが最近テレビや新聞紙面を飾っている事はご存知の通りです。理論的には有毒ガスを一切排出しない電気自動車が理想的なのですが、現在のニッケル水素バッテリーでは蓄電量や衝突時の安全性に限界があり、燃料電池の普及を待つことになりますので、まだまだ時間が必要です。 トヨタやホンダでは、ハイブリッドと呼ばれるガソリンエンジンとモーターを使い分ける方式が実用化されておりますが、複雑な機構によりコストが高く、自動車教習所での導入例はありません。東京都営バスや大手宅配業などで最近導入されているのが、CNG(液化天然ガス)車両です。低公害と高出力が特徴で、各種補助金や優遇税制を追い風に台数を増やしておりますが、現時点ではスタンドの数が極めて少ないのが難点です |
|
LPG教習車両 |
|
現在自動車教習所で導入が増えているのはLPG(液化石油ガス)車両です。これはブタンガスを主成分としたオートガスを燃料とするもので、NOxやPMの排出量も少なく、自動車本体に対する改造部分も少なくてすむために車両価格も一般車と大差ありません。すでにタクシーでの納入実績もあり、安全性と耐久性が保証されており、加えてオートガス自体もガソリンに比べて経済的です。現実的には、教習車両としての最有望株と思われます。 強いてLPGの問題点を挙げるならば、ガスの保管タンクが別個に必要となる点です。三郷自動車教習所が採用しているシリンダー方式(家庭用ボンベの大型のもの)や、行田・八潮自動車教習所が採用しているバルク方式(大型の専用タンク)などが一般的ですが、特に最近注目を集めているのが、昨年坂戸自動車教習所に設置された新バルク方式によるガスタンクです。これはイワタニ産業が開発したもので、法定点検や設置条件が大幅に緩和されており、加えて圧縮ガス技術士などの資格も不要なため、県内でも多数の教習所が導入を検討しているそうです。 環境問題に対しては,各人の問題意識・危機意識が大切です。特に私達は道路交通のプロフェッショナルとして、21世紀を担う若い人たちを指導する立場です。私達一人一人の責任義務を自覚すると同時に、教習生の皆様にも地球を愛する心の大切さを訴えてください。 |
|
|
〈坂戸自動車教習所〉1キロリットルの小型タンクが、3個設置されています。 |
|
|
|
〈三郷自動車教習所〉家庭用ボンベの大型のもので、ボンベごとに交換します。 |
|
|
|
〈八潮自動車教習所〉6キロリットルの大型タンクで、 専用のタンクローリーで給油します。 |
|