トップイメージ
左イメージ
特集
「指定自動車教習所の日」にあたって
 〜指定自動車教習所として、どう考え、行動すべきか〜
6月25日の「指定自動車教習所の日」にあたり、来間芳子会長と五十幡和彦設置者青年部部長のお二人に対談して頂き、私たち指定自動車教習所を巡る環境や課題、そして県民の期待する業界について展望して頂きました。(編集委員長 沢辺亮一)
●指導員の資質向上こそが指定自動車教習所の歴史
五十幡青年部長)
私ども羽生モータースクールでは昭和29年から教習所を始めておりましたが、昭和35年6月25日の道路交通法改正に伴い「指定自動車教習所制度」が施行され、その後37年に指定を受けて指定自動車教習所として新たに発足しました。これにより技能試験が免除されることになり、その「指定」という社会的役割に応えるような運営が求められてきたのだと思います。
来間会長)
昭和35年に先代社長がアメリカへ視察に行き、車社会にはきちんとした交通安全教育が必要だと痛感し、大宮自動車教習所を開所しました。物的基準は用意できるものの、人的基準については、当時は運転できる人をとにかく集めて資格を取らせるという状況でした。最近では資格試験も難度が上がり、指導員の質も上がってきましたね。
●指定自動車教習所ならではの人的・物的・運営的基準向上への取り組み
五十幡)
私ここにきて届出教習所との違いという点から指定自動車教習所の存在を問い直す動きがありますが、そうした厳しい人的・物的・運営的基準があるのも指定自動車教習所の特長だと思います。
会長)
埼玉県協会でも、今年で12回になる指導員の教習技能大会を開催しています。これによって、各教習所では教習を創意工夫し、井の中の蛙になることなく、知識や技能を高められています。他にも毎年の法定講習はもちろん、マナーアップ研修など、資質の向上を目指した取り組みは大変良いことであり、指定自動車教習所ならではの高い意識によるものだと考えています。
●「空白の50年」 を埋める新たな運転者教育
会長)
一方で、少子化により教習生の数も減り、教習所の経営環境は大変厳しくなっています。青年部の皆さんにも活発にご議論頂いているところですが、五十幡さんには長期ビジョン研究会の幹事長としてご活躍頂き、「空白の50年」という捉え方はとても印象的でした。教習所のような施設や人材を持つ教育施設は他にありませんので、今後はいかにこれらを活用するかがポイントと思います。
五十幡)
企業向けの講習を私どもでも実施していますが、コンプライアンスという点でも、事故が起きる前に、防止対策として実施している企業の姿勢が重要と見られるようです。
会長)私どもも、とある企業で事故が多いと聞き、安全運転の研修会を提案し、開催しています。今までの待ちの姿勢からこうした働きかけが重要になってくると思います。
●国民の信頼に応える存在として地位の向上を
五十幡)
そうした新規事業で経営的に業界を活性化していくのはもちろん、県民・国民の皆様からの信頼に応えられる存在でなくてはならないと思います。
会長)
そうですね。そのためにもスタッフの意識を高める教育をきっちりと行うことが必要だと思います。また、指導員も教習だけではなく、地域社会を通じて様々な業務を行うことで、信頼されるような存在にならなくてはならないのでしょうね。
五十幡)
現在、公的な行事が開催されると、主催者として市町村の次に教育委員会の名前が挙げられています。つまり、教育というのはそれだけ重視されているわけです。指定自動車教習所は、体系的な交通安全教育を実施している唯一の教育主体ですので、これからますます安全運転教育における役割が重要になっていきます。
●地域の交通安全教育センターとしての社会的役割を
五十幡)
私たちは指定自動車教習所として、会長もおっしゃられたように、地域や行政との連携が必要だと思います。自分たちの地域に応じた交通安全教育を実現することで、地域社会から頼られ、一緒になって交通安全対策を考えられるような存在になることが必要だと思います。
会長)
今は、高齢者講習を行っていますので、地域の方が教習所と触れ合う機会が非常に増えています。今後は、教習所の持つ貴重な施設や人材を活かし、もっと地域の方に利用して頂き、地域の交通安全教育センターとしての役割を果たしていければと思っています。
上矢印 ページトップへ