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認知機能検査員講習を受講して
〜高齢者の運転継続を支援するために〜
平成21年5月25日から6月1日にかけて埼玉県指定自動車教習所協会において認知機能検査員を養成するための講習が行われました。この講習は講習予備検査(認知機能検査)を行う者に義務づけられている公安委員会が行う講習です。その講習のカリキュラムは下記のようになります。
1時限目: 「高齢者と認知症の実態、基礎理論」 認知機能検査員講習
2時限目: 「高齢運転者対策の概要」
3時限目: 「(1)検査実施に当たっての心構え」
「(2)検査の実施要領」
「(3)検査の採点及び検査結果通知について」
4時限目: 「検査の模範実施及び質疑応答」
5時限目: 「受講者の模範実施」
6時限目: 「質疑応答」
最初に、医学的な立場から認知症の原因や症状の話がありました。認知症の原因となる病気は主に、アルツハイマ−で代表される脳細胞の性質が変化する変性疾病、脳梗塞で代表される脳血管障害等があげられます。その結果、主な症状として記憶障害(直前の出来事を忘れる)、 見当識障害(空間の配置を正しく理解できない)、失認、失行(目的にあった行動がとれない)、言語障害、実行機能障害等が現れます。
交通事故統計から75才以上の高齢運転者の死亡事故件数が高く(全年齢平均の約2倍以上)何らかの対策が必要となっていました。今回の講習予備検査は高齢運転者対策の一環として実施されるものです。認知症の疑いのある高齢者の運転の特徴は信号無視、一時不停止、運転操作不適(蛇行運転等)、合図忘れの進路変更等となります。
講習予備検査(認知機能検査)は上記の認知症の症状の中から主に記憶障害、見当識障害、失行を簡単な検査で調べることができます。具体的には記憶障害は16種類のイラスト記憶と再生を行います。見当識は現在の年、月、日、時刻を書いてもらうことで行います。失行は時計を描いてもらうことで行います。
この検査結果を高齢者講習に反映させ、運転継続を支援するものです。また、その一方でこの検査結果と本人の違反歴によっては医師の診断の基で免許取り消しになる場合もあります。そのためこの検査は慎重に行う必要があります。
この検査の導入により高齢運転者の事故防止が大きく前進することが期待されます。
75歳以上のドライバーは、免許証の更新時に、講習予備検査(認知機能検査)が必要となります。 (平成21年6月1日から始まります。)
講習予備検査:図1
講習予備検査:図2
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